「緑は大切」「自然を護ろう」といった意識は、いまや私たちが広く共有する感覚となっています。しかし、そうであるにもかかわらず、私たちの多くは肝心な緑の中身をあまり良く知りません。緑は緑以上でも以下でもなく、よく分からない有象無象のかたまりとしてしか見ていないことの方がむしろ多いとさえ言えるかもしれません。

街の木が伐られてしまうこと、そしてまた伐られたらほとんど価値のないものとして扱われてしまうのも、こうしたことと無関係ではないのだと思います。様々な思惑をもった街に住む人々と、街の緑をはじめとする自然との関係をより良いものにしていくためにも、私たちは身近にある自然の中身を、もっと良く知るべきなのではないでしょうか。

マチモノでは、樹木をはじめとする都市の自然を保護すべきものとして扱うのではなく、むしろどんどん活用していきます。身近な自然から恵みを頂いて楽しみ、木や自然が身近にあることのメリットを率先して享受していきます。木材や染料などものづくりの素材として、食物や薬として、燃料として、肥料として、あるいはまた鑑賞するものとして、どんどん活用していきます。

身近な自然から恵みを頂いて行く中で、楽しく無理なく身近な自然に対する理解を深め、知識や技術を獲得していきます。街の木についての学びや楽しさを、広く世間に発信し、街を舞台に人と自然とのより良い関係を作っていきたいと考えています。


理事紹介

代表理事
Yoshiyuki Yuguchi (湧口 善之)
HP:toshiringyou.com
都市森林プロジェクト・都市林業を提唱・実践。「街の木を活かすと➀まちづくりができる➁街造りができる➂緑を増やせる」を合言葉に、都市森林(街路樹・庭木・公園木などの街の木)と街の暮らしが手を取り合って循環する、新しい街と緑のヴィジョンを提唱、実践。街の木を活かした木工品や空間づくりをはじめ、伐採される大木の活用に地域住民と一緒に取組む製材ワークショップ、街の木で作る木工や草木染などのものづくりイベントの開催、街の木から得られる食の恵みを活かす収穫祭、街の木の命をつなぐ苗木作り、都市森林プロジェクトのコンセプトを取入れた新しい緑地づくりのコンサルティングなど、街の木と人々が触れ合える機会を増やし、「木があってよかった」を最大化する取組みを多角的に行っている。

理事(事務局長)

Megumi Yokoyama(横山 恵)

当初、樹木や木工についてはまったく経験がなかったにもかかわらず、黎明期の取り組みであったマチモノカフェ&ワークショップや製材ワークショップをはじめとするほぼすべてのイベントで中心的役割を果たす。街の木の魅力を伝える取り組みの屋台骨を支えながら、湧口と共に数多くの街の木の現場に同道、自身が知るに到った街の木の様々な課題、驚きや感動、知識や魅力を、イラストレーターとしてのスキルを活かして発信。このところは、樹木観察会の開催や街の木の恵みを食に活かす収穫祭の開催に向けて取り組んでいます。

理事

Takashi Yokoyama(横山 貴)

理事、横山恵の夫でもある横山貴も、もともとは樹木に関心があったわけではありませんでした。取り組みを手伝うなかで様々な現場を経験し、様々なイベントで大活躍。とりわけ製材ワークショップでは古来の製材道具である大鋸の仕込みや活用に取り組み、数々の大木を子供たちと一緒に真っ二つにしています。チェンソー作業者の資格も取得して、こちらでも数々の丸太を可愛がる。チェンソーや木工機械の修理もできる、本業はバイク屋さんのN360乗り。